1度目の関西空港建設工事で携わったのは、下水管の配管工事だった。写真はその労働現場。中央には、巨大な下水管が重ねられている。4メートルぐらいの深さまで掘り、底の部分にコンクリを打つ。そうして、これらの下水管をセットしていく。
作業の中心を担うのは専門の職人で、中島は主に手元の仕事に携わっていた。こうした手元の作業には、釜ヶ崎からやってきた労働者が多かった。作業現場は広大な空港建設地である。ぼーっとしてたら迷子になり、下手をすると昼飯にありつけない。日陰のない広大な敷地での労働を、中島は次のように振り返る。
大きなバールを持って、セットしていくのが先頭におるんですよ。ほんでわれわれ雑役がね、言われた通りの高さまでずっと設置していくんですよ。だから、仕事としては楽な仕事でしたよ。ただこのとき、夏だったんですよ。真夏の暑さとの戦いでしたね。水なんかは現場にあるんですけどね。
2019年12月26日