n28p11_015 ©1993 中島敏

個室の部屋は広めで、エアコンも備えつけられている。

常磐寮(個室内布団)

尾張鉄では、コンクリ打ちの仕事が多かった。たとえば、京都の高島屋の増館工事に携わったことがある。その労働の様子を、中島は次のように語った。

京都の高島屋の、増館工事をね。地中梁のコンクリ打ちって知ってる? 鉄筋のことを言うんですよ、地中梁って。いちばん建物の基礎のところに、杭を打ち込んでるでしょ。その上にザーッと、床の高さまでコンクリート打つんですよ。まわりをね、工事用の高い塀で囲ってるでしょ。夏の暑いことね。そんなもう、汗が噴き出るんですよ。当然、水や番茶も持ってきてるんだけどね。もう、ばんばん飲んでなかったら熱中症ですよ。コンクリート打ちやから、バイブレーターで使ってたらね、作業着なんか、ぼとぼとになるぐらい汗が吹きますよ。【現場けっこうしんどかった?】それはしんどかった、もう暑さがね、それが一番えらいの。

2019年12月26日