忠岡町の宿舎は、相部屋だった。部屋のなかを映したこの写真には、ハイライトとライター、それにワンカップの瓶などが転がっている。これらは、相部屋の労働者が持ち込んだものだ。
ふつう飯場労働では、労働が終わったあとに飲む酒が、労働者の楽しみのひとつである。しかし貝塚の阪南宿舎や忠岡の宿舎では、売店もなければ、アルコールも置いていなかった。労働者どうしのケンカを防ぐ方針だったのだろう。しかも宿舎は市街地から離れた埋め立て地にあり、街に出かけることもできなかった。
一升瓶を持ち込むのはちょっと難しいですよね。焼酎の4合瓶とかだったら、バッグの中にどこでも入ります。そうやって自分の部屋に持ち込んでた人いるでしょ。私なんか、初めて行って勝手を知らなかったから、ねえ 。
2019年12月26日